佐藤集雨洞の洞穴

twitterで「創元推理文庫旧装丁bot」を動かしている佐藤集雨洞のブログ

さよなら、横顔。こんにちは、おじさん。

前回記事が2018年3月。と言うことはまるまる4年ぶりの記事である。 実は4年前のその記事以降にも書いた文章がいくつかあった。ただ、創元推理文庫はもちろん、広い意味でのミステリーにも関わらない記事数本であった。あれはやはり別の場所に載せる方が良か…

ハリデイ&マクロイ 「本とバンシー」 (第7回 1953/4/23) 切り裂きジャックにまつわる一冊

Allan Barnard*1 / The Harlot Killer, Jack The Ripper (Dodd Mead 3ドル) 収録作品について 事件のあらまし 終わりに 佐藤より Allan Barnard*1 / The Harlot Killer, Jack The Ripper (Dodd Mead 3ドル) ※作者名が片仮名表記の場合は、邦訳されたことのあ…

ブレット・ハリデイ&ヘレン・マクロイ 「本とバンシー」 (第六回 1953/4/16)

ジョン・ビンガム (John Bingham) / The Tender Poisoner (Dodd Mead 2.50ドル) ライアースン・ジョンスン (Ryerson Johnson) / Mississippi Flame (Gold Medal 0.35ドル) Gerard Fairlie / Winner Take All (Dodd Mead 2.50ドル) 佐藤より ※作者名が片仮名…

ブレット・ハリデイ&ヘレン・マクロイ 「本とバンシー」 (第五回 1953/4/9)

Warren Eyster/ Far From The Customary Skies (Random House 3.75ドル) John M. Eshleman/ The Long Window (Ives Washburn Inc. 2.50ドル) John Appleby/ Stars In The Water (Coward-McCann 2.75ドル)

ブレット・ハリデイ&ヘレン・マクロイ 「本とバンシー」 (第四回 1953/4/2)

シンクレア・ルイス (Sinclair Lewis) The Man From Main Street (Harry E. Maule and Melville H. Cane (eds.), Random House 3.75ドル) 佐藤より

ブレット・ハリデイ&ヘレン・マクロイ 「本とバンシー」 (第三回 1953/3/26)

アガサ・クリスティ (Agatha Christie) 『葬儀を終えて Funerals Are Fatal 』 (Dodd Mead 2.50ドル) アーシュラ・カーティス (Ursula Curtiss) The Iron Cobweb (Dodd Mead 2.50ドル) 余白の情報 佐藤より ※作者名が片仮名表記の場合は、邦訳されたことのあ…

「本とバンシー」 ブレット・ハリデイ&ヘレン・マクロイ(第二回 1953/3/19)

フィリップ・マクドナルド(Philip MacDonald) 『狂った殺人 Murder Gone Mad』 (Mercury Publications 35セント) シャーロット・アームストロング(Charlotte Armstrong) Catch-As-Catch-Can (Coward-McCann 2.75ドル) 佐藤より ※作者名が片仮名表記の場合は…

「本とバンシー」 ブレット・ハリデイ&ヘレン・マクロイ(第一回 1953/3/12)

マリー・ベロック・ローンズ (Marie Belloc Lowndes) 『下宿人 The Lodger 』 (Longmans, Green and Co. 2.75ドル) Howard Whitman. A Reporter In Search Of God (Doubleday 3.50ドル) ウイリアム・P・マッギヴァーン (William Peter McGivern) 『ビッグ・…

二色刷りから単色へ、そしてその例外

(以下は、2017/5/22にツイートした内容の再掲です) 創元推理文庫の分類マークは、1991年にその役目を終えた。『東京創元社文庫解説総目録』にもそう書いてある。そして、おそらく時を同じくして、カバーを外した本体の印刷も、二色刷から茶色単色刷に変更…

日下弘氏関連の記事へのリンク

日下弘氏に関する記事、そして湯浅レイ子氏に寄稿していただいた連載が複数回に渡ったので、各記事へのリンクをここにまとめる。 連載への前口上 [佐藤集雨洞] satopseudo.hatenablog.com satopseudo.hatenablog.com satopseudo.hatenablog.com 本を愛したデ…

本を愛したデザイナー ―教え子からみた日下 弘のエディトリアルデザイン (最終回) [湯浅レイ子氏]

6回に渡ってお送りしてきた、湯浅レイ子氏による連載も、今回が最終回となる。今回は、日下弘氏と奥様とのお別れについて。優れた教育者であった日下氏が偲ばれるエピソードとなっている。 訃報 いい妻だ、というクチグゼ。 【佐藤より】

本を愛したデザイナー ―教え子からみた日下 弘のエディトリアルデザイン (五) [湯浅レイ子氏]

湯浅レイ子氏による連載も今回で五回目となった。今回も、日下弘氏のデザイン論を論じていただいた部分を掲載する。ではさっそくどうぞ。 装幀は色。イリュミネーション。文字。 エディトリアルデザインは可読性。 エディトリアルデザインは驚き。 エディト…

本を愛したデザイナー ―教え子からみた日下 弘のエディトリアルデザイン (四) [湯浅レイ子氏]

湯浅レイ子氏による本連載「本を愛したデザイナー ―教え子からみた日下 弘のエディトリアルデザイン」。今回から連載は後半に入る。今回は、「日下弘のデザイン論」に関して語って下さった部分をお届けする。どうぞお楽しみ下さい。 日宣美 今のみを語る。 …

本を愛したデザイナー ―教え子からみた日下 弘のエディトリアルデザイン (三) [湯浅レイ子氏]

エディトリアルデザイナー湯浅レイ子氏の連載三回目。連載前半の最後に、「教育者としての日下弘」にまつわるエピソードを語っていただいた。また、「デザイナー湯浅レイ子」のスタート地点についても触れられている。それでは今回もどうぞお楽しみ下さい。 …

本を愛したデザイナー ―教え子からみた日下 弘のエディトリアルデザイン (二) [湯浅レイ子氏]

前回から連載を開始した、「本を愛したデザイナー ―教え子からみた日下 弘のエディトリアルデザイン (二) [湯浅レイ子氏]」、今回はその第二回。日下氏の実際の授業の様子がどんなものだったかを、まとめていただいた。 日下先生の4セッションの内容 「1. …

本を愛したデザイナー ―教え子からみた日下 弘のエディトリアルデザイン (一) [湯浅レイ子氏]

前回予告していた通り、今回から、エディトリアルデザイナー湯浅レイ子氏の文章を掲載する。 これまでの顛末(前口上)のまとめ 「突然舞い降りたメッセージ」 連載日下弘、の前口上(一) - 佐藤集雨洞の洞穴 「日下弘氏の経歴をまとめる」 連載日下弘、の…

「執筆者湯浅レイ子さんのご紹介」 連載日下弘、の前口上(三)

さて当方としては、この方、日下弘氏の教え子さんが差し出してくれた手を離すわけにはいかない。 是非にとお願いして、日下氏にまつわるエピソードなどを伺った。その後何度もやりとりをする中で、無理を言ってご本人にまとめていただいたのが、次回から紹介…

「日下弘氏の経歴をまとめる」 連載日下弘、の前口上(二)

さて、この後の話の前提ともなるので、今回は、日下弘氏の経歴を確認しておくことにしたい。 こういった記録についても、現状ではネット上にはほとんど情報がない。このまま氏に関する記録が埋もれていってしまうのは本当にもったいないことだと思う。 元資…

「突然舞い降りたメッセージ」 連載日下弘、の前口上(一)

twitter上に、「以前の創元推理文庫の装幀・カバーをひたすら紹介していく」という、創元推理文庫旧装丁bot(@OldSogenBot)を始めてから、既に5年が過ぎた。 その間、たくさんの方にbotを見ていただき、twitter上でのやりとりをすることもできた。中には、t…

『ラッフルズの事件簿』の刊行予告を見る

先日入手した『創元推理文庫解説目録 1981.7』。 【新規登録】『創元推理文庫解説目録』 (カバー:記載無し(日下弘と推定)/1981年7月) 創元推理文庫旧装丁bot pic.twitter.com/vnZkMAYFR4 — 創元推理文庫旧装丁bot (@OldSogenBot) 2017年3月10日 この中…

マーガレット・ミラーのカバーにまつわる二・三の話

きっかけは、マーガレット・ミラーの『心憑かれて』の巻末インタビューだった。 「文庫データ・ボックス 最新インタビュー マーガレット・ミラーの場合」 掲載されていたのは、今般入手した、猫マークの付いた旧装丁のもの。1990年初版だ。 「今まで新しいカ…

時間旅行を経た創元推理文庫

いきなりなタイトルですが、今回のテーマ、本当のところは、「創元推理文庫の奥付に書かれている発行年」です。 1. 『初期創元推理文庫書影&作品目録』の指摘から 2. 元ネタ不明の写真から 3. そして手持ちから見つけたもの! 感想

『紙魚の手帖』にみる、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』日本語版の産みの苦しみ

ウンベルト・エーコ氏が先日、84歳で亡くなられました。 リンク: ウンベルト・エーコ氏死去=「薔薇の名前」、84歳-伊哲学者 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201602/2016022000155&g=int 詳しいわけでも、しかも代表作の『薔薇の名前』すら、自分はちゃん…

追跡、S.D.G.! (終) 創元推理文庫とS.D.G.のタイムライン

さて最後に、創元推理文庫とS.D.G.の関係を確かめたい。 以前まとめて示したように、S.D.G.と創元推理文庫の関わりはその初期に限られ、以降は携わることはなかったようである。 以下に、両者の関わりを画像を省いてまとめてみた(画像付きのデータは「S.D.G…

追跡、S.D.G.! (4)S.D.G.はその後、どうなったのか?

ここまでわかってくると、次に気になるのが、「じゃあS.D.G.は今、どうなっているのか?」という点である。 前記事で紹介した鈴木氏のエッセイには、「手塩にかけたわがエスデージーから離れてはや10年余。」と書かれており、2000年頃、エッセイの執筆時点で…

追跡、S.D.G.! (3)「芋づる式」からさらなる確証を得た

こうなると、検索によって情報を探すのもだいぶ容易になる。 S.D.G.に加えて、「鈴木利男」、「鈴木画房」などを同時に検索対象とすることで探す情報が次々と見つかった。そんな中で、次のような記事にも出会うことができた。

追跡、S.D.G.! (2)遂に掴んだS.D.G.のしっぽ

googleの単純な検索では、めぼしい情報が全く出てこなかった「鈴木画房」についての調査。 一方の、google booksの検索結果画面からは、予想していなかったような、驚くべき内容が目に飛び込んできた。

追跡、S.D.G.!(1) 鈴木画房って?

鈴木画房という言葉 「S.D.G.、それにまつわる人々」(3)~何を課題とするのか で設定した課題の内、 「(2)S.D.G.と併記される三人の詳しい経歴がわからない」 という点の、「石垣栄蔵」について、ある程度の調べが付いたことは、以前書いた通り。 今回からは…

追跡、「S.D.G.」!(序) ここまでの流れの確認

年も明け、ほぼひと月ですが、本年もどうぞよろしくお願いします。 5月以降、生活拠点が移った昨年。そして下半期には初子の誕生もあり、Twitter、こちらのブログ共々全く手を付けられない状態になってしまいました。年末年始を経て、少しずつ時間を作れるよ…

S.D.G.と、それにまつわる人々(9) 「創造する喜びがそれだ」

このように、「経歴」とはいかないまでも、石垣については少しずつ「創元推理文庫以外」の情報が集まりだした。そのタイミングで、ネット上の検索結果に、それまでは気付いていなかったものを見つけた。 書籍のタイトルを見た限りではあまり期待できなかった…