佐藤集雨洞の洞穴

twitterで「創元推理文庫旧装丁bot」を動かしている佐藤集雨洞のブログ

さよなら、横顔。こんにちは、おじさん。

前回記事が2018年3月。と言うことはまるまる4年ぶりの記事である。 実は4年前のその記事以降にも書いた文章がいくつかあった。ただ、創元推理文庫はもちろん、広い意味でのミステリーにも関わらない記事数本であった。あれはやはり別の場所に載せる方が良かったと判断し、先日こちらからは削除した。

さてその4年ぶりの記事、テーマはこちらの画像である。

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botをご覧の方にはなじみ深いマークだと思うが、念のため説明を。

こちらのページにあるように、創元推理文庫ではその昔、ジャンルの違いを表わすためにそれぞれ特徴的なマークが使われていた。

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創元推理文庫旧装丁bot」では、この分類マークについても、それぞれのカバー画像に併記してツイートしている。上の画像はその内の一つ、「本格推理小説」をあらわすマークであった。

さてこのマーク、botにおいてはずっと「横顔」と呼んで扱ってきた。 この「横顔」という名称、あまり深く考慮せずに勝手に横顔、と呼ぶことにした気もするし、当時読んだ何かを参考にしたのかもしれない。ただ、botを始めてからもう10年が経っており記憶は曖昧だ。

※それにしても開始から丸10年経っていたことにも気付かずにいたあたりにも表れているが、botを長いこと放置してしまいすみません。運用が問題なければ放置していても動いてくれる、それがbotの良さでもあるのだが。

その後、このマークを扱っているネット上のページでこれが「おじさん」と呼ばれているのを目撃することがしばしばだった。「え?そうだったの?まずかったな」と思ったが、それと同時に「でも、この形だけでおじさんだっていえるの?」という疑問を持った記憶がある。中折れハットを被った人間が、皆おじさんなのか?と。

創元推理文庫がこのマークを使っていた頃には、ひょっとするとこういう帽子を使っているのがおじさんだけだったのだろうか?だとするとこれは帽子をめぐる文化史の一端が表れた一例とも解釈できそうだ。このマークが「おじさん」と呼ばれた背景まで含めて考えれば、「おじさん」と呼ぶ例に倣っても良かったんじゃないかと今では思う。しかし当時の(若くもなかったはずの)自分は「これだけでおじさんなの?」という疑問を優先し、あえて「横顔」という呼び方を変えなかった。

だから、次のページを見つけたときにはほっと胸をなで下ろした。 2016年に東京創元社サイトに掲載された記事、『Web東京創元社マガジン : 翻訳ミステリについて思うところを語ってみた・その13 創元推理文庫の背表紙はカラフルなのだ』では、

おじさんマーク(横顔マーク、はてなマーク)→本格推理小説

と書いてあったからだ。

www.webmysteries.jp

本家が「おじさん」だけではなく「横顔」もその名称として認めているんだから、勝手にbotを作っただけの一般人が「横顔」を使って悪いことはないだろう…

しかし、そのときは突然訪れた。東京創元社のページで発見してしまったのだ、あのマークの名前が「おじさん」だけになっていることを。

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ここではもはや「横顔、はてな」というその他の名称は準備されておらず、ただ「おじさんマーク」とだけ呼ばれている。 このピンバッジの販売が開始されたのは、当時の案内(メールマガジン)から2019年12月頃であったことが分かる(それ以前からイベントやプレゼントとしての配布は行われていた)。ということは自分が2021年の年末頃に気付くまで、優に2年以上が経過していることになる。「いや気付くの遅すぎでしょ」という突っ込みも受け容れなければいけない。

その後発売されたブックカバー、エコバッグの販売ページでは全て、このマークを「おじさん」とだけ呼んでいる。

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これらのページを見て、私はこれは公式に「おじさん」という名前になったのだと判断した。 こうなっては、「横顔」を頑なに使い続ける理由も根拠もない。今後は私もこのマークを「おじさん」と呼ぶことにしよう。

「さよなら、横顔。こんにちは、おじさん。」である。

後記

今後も、こうして「そんなにおおげさに書く?」という話を、たまに記事として書くだろうとは思う。

とはいえさすがに4年に一回じゃ。生きている間にあといくつ書けるというのか。

…この計算をしてしまった以上、もう少しだけ頻度を増して記事を書かねばならないぞ、私。