佐藤集雨洞の洞穴

twitterで「創元推理文庫旧装丁bot」を動かしている佐藤集雨洞のブログ

広橋桂子について~「4人の箱」

広橋桂子さんという方は、oldsogenbotで紹介する中では、特に目立つ名前というわけではありません。 でも実は、初期のもので点数が少ないタイトルの中では、結構広橋さんの装丁が多いんです。 もっと紹介すべきなのにできていない、というべき存在です。

 

参照(他のサイトより):

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チョールフォント荘の恐怖 古本通販【文庫シェルフ】

 

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F・W・クロフツ『フレンチ警視最初の事件』 (承前)|圏外の日乘

とは言え、持っている本の装丁だけを見ても、シンプルな図形の配置が好きです。 botで紹介済みの中にも、次のような作品があります。

『赤い館の秘密』 A.A.ミルン (カバー:広橋桂子/39版 1975) 横顔マーク 1-Scan0235

 

『死者の入江』 カトリーヌ・アルレー (カバー:広橋桂子/9版 1971) 猫マーク 4-Scan0115

 

『死の匂い』 カトリーヌ・アルレー (カバー:広橋桂子/8版 1974) 猫マーク 3-Scan0116

 

『ガラスの鍵』 ダシール・ハメット (カバー:広橋桂子/10版 1974) 拳銃マーク 14-Scan0316

 

ところでこの広橋さん、他にbotで紹介しているデザイナーに比べると、ネット情報ではあまり詳細がわかりませんでした。

そんな中、詳細が載っていそうな書籍を見ることができたので、今回はその書籍「4人の箱」から、広橋さんについて簡単に紹介します。

4人の箱―パッケージデザイン
秋月 繁
六耀社
売り上げランキング: 1,493,591

この書籍は、以下の4人のデザイナーについて、実際のパッケージデザイン、および「箱」というコンセプトにしたがった作品を収めたものです。

広橋さんについて、まずその略歴を巻末から紹介します。

  • 1931年、東京に生まれる。 1954年、東京芸術大学美術学部図案科卒業、同年森永製菓入社、製品計画課勤務。
  • 1962年、森永製菓退社。ヒロハシデザイン室を主宰。 1965年、日本パッケージデザイン協会会員賞受賞。
  • 1966-76年、東京芸術大学非常勤講師。 1978年、玉川大学助教授。
  • 現在、日本パッケージデザイン協会会員、東京デザイナーズスペース会員、日本グラフィックデザイナー協会会員。

パッケージデザインが主戦場の方のようですね。

以下、何点か作品をご紹介。

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渋い。今も使われてたらかっこいいな

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世代的には、ぎりぎり小さい頃はスーパーにこういうデザインも並んでたかなぁ、というおぼろげな記憶が。日本製品としては古くさいのかもしれないけど、逆に、今なら輸入品にならありそう。

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逆にこんな和風なデザインも! 今はこの包装は残ってないのかな。

驚いたのは、あの「パールライス」(全農パールライス東日本株式会社)のロゴなどを担当したのが広橋さんだったということ。

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このデザイン、馴染みが深いのは田舎出身者だけでしょうか?

ちなみに、広橋さんの章のタイトルページには、こんなデザイン(とサイン)が。

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創元推理文庫の装丁に近いものがありますよね。

 

以上、広橋桂子さんのご紹介でした。

あぁ、どこかに「チョールフォント荘」や「最初の事件」が転がっていないかなぁ!

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