佐藤集雨洞の洞穴

twitterで「創元推理文庫旧装丁bot」を動かしている佐藤集雨洞のブログ

雑文:余は如何にして創元推理文庫(装丁)愛好家となりし乎 その1

twitterでも書きましたが、最近東京を離れてしまい、古本探しにはずいぶん辛い境遇になってしまいました。本集めがはかどらないなら、このblogに新しく書きたしてみるかと考えたのですが…なぜかこういう「自分語り」になってしまいました。

「どういうきっかけで本のことが好きになるか」の一つの挿話として読んでもらえれば良いかなあ、という感じですので気軽に読んでください。

他に、これから書きたいネタも少し出てきましたので、もし期待していただけるかたがいましたら、twitterでお声をかけていただければ嬉しいです。

書いてみたら長かったので、何回かに分けて載せます。

今でこそ、自宅の中で結構な空間を占めている、古い創元推理文庫。引っ越しを機に文庫本専用本棚を一本増やして3本目になりました。ごちゃごちゃしなくなってほっとしています。oldsogenbotは、この「持っているものに限って」というスタイルを固持し、twitterで紹介しているものです。

twitter 創元推理文庫旧装丁bot @oldsogenbot

今は完全にそれを探すことが趣味になっていますが、この趣味を始めるまでの自分は、取り立てて推理小説に詳しいわけでも、はまっていたわけでもありませんでした。

我がことながら、なぜそこまで創元推理文庫に限って収集することになったんだろうか?だんだん最初の頃の記憶が怪しくなってきたので、今のうちに書いておこうかなと思い立って数ヶ月。やっと重い腰を上げ、重い筆を取り上げる、いや、重いキーボードを押すことができました。

という訳で、今回は「新しいネタ」が示せるわけではありませんのであらかじめご了承の程を。

 

そもそものきっかけは、10代まで暮らした実家に数冊、親の本として古めの創元推理文庫があったことです。なぜか親の蔵書が自分の部屋の書棚に入れられていたこともあり、この「読んだことのない文庫本」をたまに手に取っては、難しそうだなあとまた入れ直しすことを繰り返していました。繰り返しすぎて、とうとう実家にいる間に読んだものはほんの数冊に過ぎず、創元推理文庫には手を出さずじまいだったのですが。

実際に読むのはかなり後になったものの、今では親の了解を得て自分のコレクションに仲間入りさせているのが、この「カナリヤ殺人事件」です。

 

『カナリヤ殺人事件』 ヴァン・ダイン (カバー:中島靖侃/20版 1969) 横顔 創元推理文庫旧装丁bot 東京創元HP⇒ http://bit.ly/1fH3ZfU

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当然他の文庫の本も本棚には並んでいたのですが、このカバーは、その後も妙に脳裏に残り続けていったのでした。書棚には他にも、やはりヴァン・ダインのものながら真鍋さんデザインのものもあったはずです。おそらくこれもoldsogenbotで紹介しているどれかだとは思うのですが、今はもうどれが該当するものか、わからなくなってしまいました。

創元推理文庫に出会った当初は、真鍋さんのデザインしたものよりも、古いものに興味を覚えていたようです。

 

その後しばらく、「創元推理文庫を!」という観点はないまま、そして特に推理小説にもはまらないまま、月日を過ごしましたが、学生でも自宅でインターネットを普通に使えるようになってしばらく経った頃、あるサイトに出会いました。幸いそこは今も運営されているので紹介します。

インターネット上の古書店、ブックスリパブリックさんです。

http://www.booksrepublic.com/

ScreenClip

 

紹介文を見ると2001年から運営開始とのことなので、自分が見たのは開設からあまり経たずしての事だったのでしょう。このサイトで小さいながらも一つのコーナーとして紹介されているのが、他ならぬ「創元推理文庫」コーナーだったのです。

http://www.booksrepublic.com/sogen.html

ScreenClip

 

「あれ?創元推理文庫って、たしかあの…」と覗いてみて、さらに驚きました。

「あ!これこれ!これうちにあるヤツじゃん!前から気に入っていた「カナリヤ殺人事件」が紹介されている!……あれ?」

実際には、どうやら「ベンスン殺人事件」だったようですが、ずっと気にかかっていた文庫本とほぼ同じデザインの本が、その装丁という観点から取り上げられていることを知ったのです。(今もブックスリパブリックさんではベンスンが売りに出ていますが、これが10何年前からあり続けているかどうかは??)

さて、驚いたのはヴァン・ダインものについてだけではありません。

「え、こんなにいろんなデザインが使われてたのか!しかもみんなカワイイじゃないか…」(今なら何にでも使う「カワイイ」という表現をこの頃の自分が既にしていたのかどうか、実際はわかりませんが)

そう、この時点で初めて、全体像とは行かないまでも、他にも魅力的な装丁の本が創元推理文庫にはあったことを私は知ったのでした。

 

続きは次回に!

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