「紙魚の手帖」~その前日譚(1)
創元推理文庫が80年代に付録として作成していた、「紙魚の手帖」をご存知でしょうか。 (「し↗みのてちょう」ではなく、「し↘みのてちょう」と読むべきなんですかね?)
正確には、
1983(昭和58) 年5月 B4判を八つ折りにした投込付録
〈紙魚の手帖〉創刊(─41号、1988年5月)
と、次のリンク先に記載されています。
この「紙魚の手帖」、いつのまにか手元の点数が徐々にですが増えていて、中身も面白いのですが、今回はこれについての記事ではありません。
「こっちが『紙魚の手帖』の前身だったのかな?」と思われる、81年の「新刊案内」についてです。
ある時期、蔵書の中の新刊案内を全て抜き取って整理してみると、その中に、「紙魚の手帖」の文字が見つかりました。 この、81年5・6月の新刊案内です。
先ほどの紹介からもわかるようにこの時期はまだ付録全体が「紙魚の手帖」とされていた時期ではありません。 実際、この「紙魚の手帖」は新刊案内の1コーナーに過ぎません。
ちなみにこの「新刊案内」は創元推理文庫のみならず、「キー・ライブラリー」「イラストレイテッドSF」の新刊紹介も兼ねています。 (どういう案内か、中身についても気になる方がいましたら、紹介しようと思いますが…)
「あれ?もうこの時点で『紙魚の手帖』って書かれてたんだな!」 (自分にとっての)新発見に少しだけ興奮しました(^^ゞ
ところがところが、抜き出したものの中に、次の「81年7・8月」の新刊案内も発見しました!
この号は創元推理文庫が800点を突破したという記念すべき時点での新刊案内。 ここにもやはり「紙魚の手帖」は掲載されています。
そしてなんと(?)、こないだ、それに続く81年9・10月の新刊案内も見つけました。 「紙魚の手帖」付き、さらにはここから「No.3」というナンバリングもされるようになっています。
「今回からは読者の皆さんからのご質問にお答えしたり、小さなコラムですが、内容の充実を図っていきたい所存です。お便りお待ちしています。」
とも書かれていますね。
ここに記されている「洋書の入手方法」を読むと、時代の違いを痛感します。 品切れが「OS」、絶版が「OP」という呼び方を常識として知っている人もおられたことでしょう。 やはりインターネット時代の洋書購入とは大きな差がありますよね。 (という内容を読めるくらいの画像がアップできていると良いのですが)
さて、ここまで3枚の「紙魚の手帖」を紹介してきましたが、普通に計算すると、ナンバリングはないものの、「81年7・8月」の新刊案内がNo.2、そして「81年5・6月」のものが、記念すべき「紙魚の手帖 第1号」ということになるのだろうと思います。 もちろん、投げ込み付録としての「紙魚の手帖」にはそれ自体の第1号があるわけですが。
「紙魚の手帖 第1号」について、いかがでしたか? 相も変わらず重箱の隅にも無さそうなかすかな発見かもしれませんが、なるべく大々的に書いてみました!
さて、実は手元にはもう少し、これに続く「新刊案内」内の「紙魚の手帖」があるのですが、それについてはまた改めて書きます、出し惜しみみたいですみません。
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